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広域環境モニタリングのための航空機を用いた 放射性物質拡散状況調査

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4.3.2 空気減弱係数(AF)<br />

JAEA-Technology 2012-036<br />

高度補正を行うために、高度を変化させたフライトを行い、実効的な空気減弱係数を求めた。<br />

Fig. 4-12 に 3.6 章で述べた計算コードを使用して、核種ごとの空気減弱係数を計算した結果を示す。<br />

高度補正には、以下の計算式を用いて、高度補正係数 HF を算出した。<br />

(1)<br />

HF: 高度補正係数<br />

Hsd: 基準高度 (1,000 ft = 300 m)<br />

Ha: フライト高度 (GPS 高度-DEM)<br />

対地高度の算出には、GPS で記録した海抜高度から公開されている数値標高モデル (DEM:<br />

Digital Elevation Model) を差し引いて求めた。DEM は、東日本では 90 m メッシュ 13) を、西日本<br />

には 10 m メッシュ 14) を利用した。DEM については、300 m 上空で測定した場合、Fig. 3-19 で示<br />

したように、真下の半径 400 m の平均値が測定されていることから、400 m の平均値を示す DEM<br />

を使用することが望ましいと考えられるが、今回は、汎用的な DEM を用いて評価した。今後、<br />

計算結果の信頼性と DEM については、検討する必要があると考えられる。<br />

Fig. 4-12 に示すように、 134 Cs と 137 Cs の減弱係数はほとんど変わらないが、天然核種である 40 K<br />

及びウラン、トリウム系列の減弱係数は放射性 Cs と比較して、それぞれ 10 - 30 %小さいことが<br />

分かった。原子力発電所近傍以外は、放射性 Cs が存在したとしても、天然核種と混在しているた<br />

め、計算結果の中間程度の値となることが予想される。<br />

Fig. 4-12 Simulated attenuation factor using EGS5 (Source radius: 1000 m)<br />

実測した AF の例を Fig. 4-13、4-14 に示す。AF は高度と計数率をプロットし、指数近似した傾<br />

きとして算出した。これらはホバリングで実施した場合とフライトラインを通過した場合の 2 つ<br />

の方法で実施している。また、スペクトルを①450 keV 以下(放射性 Cs の光電ピークを含まない領<br />

域)、②450 keV 以上 (放射性 Cs の光電ピークを含む領域) 、③900 keV 以上 (天然の放射線を含<br />

む領域) 及び④全計数の 4 つに分類し、AF を比較した。まず、テストラインを通過する場合には、<br />

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