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JAEA-Testing-2011-007.pdf:46.74MB - 日本原子力研究開発機構

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<strong>JAEA</strong>-<strong>Testing</strong> <strong>JAEA</strong>-<strong>Testing</strong> <strong>2011</strong>-007<br />

4 まとめ<br />

東京電力福島第一原子力発電所の事故により、放射性物質が広範囲に拡散・蓄積した。このた<br />

め、屋外プールの水から放射性物質が検出され、利用再開に向けた排水ができなくなったプール<br />

が相当数発生した。このため、原子力機構では、学校プール水の除染方法についての実証試験を<br />

行うとともに、除染方法を一般化したマニュアルを作成することとし、このためのチームをつく<br />

り、平成 23 年 6 月から 9 月にかけて活動した。<br />

実証試験を開始するにあたり、除染処理後に排出するプール水中の放射性セシウム濃度につい<br />

ては、環境省が示した水浴場における暫定規制値 50Bq/kg ではなく、厚生労働省が示した上水に<br />

ついての暫定規制値 200Bq/kg がより妥当性が高いことから、学校、自治体、地元関係者等との<br />

事前打ち合わせでは、この規制値により排水の可否を決めることで了解を得た。<br />

実証試験では、除染作業に一般の方が参加することを念頭に置き、危険を伴わない方法、可能<br />

な限りシンプルな方法、確実性が高い方法、適用範囲が広い方法、特殊な装置や資材が不要な方<br />

法とするために、ゼオライトと凝集剤 PAC を用いた凝集沈殿法について重点的に試験を行った。<br />

プールに直接ゼオライトや凝集剤を投入する方法および1トンポリタンクを用いたバッチ式で<br />

処理する方法について検討し、多少の手間がかかっても確実性を優先し、ポリタンクを用いる方<br />

法を選択した。その上で、ゼオライトと PAC の添加量、添加方法、添加のタイミング、処理開<br />

始前、処理途中、処理後のプール水の放射能濃度と pH の管理、プールの底に溜まった沈殿物の<br />

ろ過回収法、凝集沈殿物の一時保管方法などについて検討に加えた。また、作業者の安全確保と<br />

放射線管理の方法についても検討を加えた。<br />

7 校 8 箇所のプール水除染の実証試験を通して、ゼオライトと凝集剤を用いた凝集沈殿法が有<br />

効であることを確認した。これら、実証試験において得た貴重な知見から、操作のエッセンスを<br />

抽出し、これを「学校プール水の除染の手引」にまとめることができた。3 ヵ月ほどの短い期間<br />

において、当初目的を達成した。<br />

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