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JAEA-Review 2010-065
Effects of Heavy Ion beam Irradiation in Citrus
Y. Matsuo a) , Y. Hase b) , S. Nozawa b) , R. Yoshihara b) and I. Narumi b)
a) Saga Prefectural Agricultural Fruit Tree Experiment Station,
b) Radiation-Applied Biology Division, QuBS, JAEA
Radiation breeding is one of the useful methods to develop new varieties of fruit trees. To apply radiation breeding
for citrus, we examined the radiation sensitivity of three citrus varieties. In “Kawata wase”, the regeneration rate from
hypocotyls was 48.0% at 0 Gy and the regeneration rate decreased to 25.0% at 4 Gy. In “Imamura unsyuu”, the
regeneration rate was more than 50% up to 2 Gy and was 47.6% at 4 Gy. In case of trifoliate orange, we irradiated
imbibed seeds because regeneration rate from hypocotyls was low. The germination rate of irradiated seeds was more
than 70% up to 12 Gy and was 53.8% at 16 Gy. Our results show that there is a difference in radiation sensitivity and
shoot regeneration potential between citrus varieties.
果樹等木本植物は、栄養繁殖を中心に増殖が行われ
ており、放射線を利用し突然変異を効率よく誘発する
育種法は、果樹育種において重要な品種改良の一つで
ある。しかし、カンキツにおいてはイオンビーム等を
利用した突然変異誘発事例の報告は少ない。これまで
にユズをはじめとして、福原オレンジ、ニンポウキン
カン、川野ナツダイダイ等への照射試験を実施し放射
線感受性の程度を調査してきた。本試験では、カンキ
ツ生産量の大半を占める温州ミカンについての感受性
程度を調査した。またカラタチについては、胚軸切断
面よりカルス発生しにくいため、種子への照射試験を
実施した。
供試品種は、川田早生、今村温州を用いた。種子を
1/2MS培地に播種後、3 週間目に胚軸を 2 cm 程度残し
切断した。さらに、1 週間後に切断面より発生したカル
スにイオンビームを照射した。照射イオン種は C イオ
ン( 12 C 6+ 、加速エネルギー320 MeV)を用い、線量は 2
~32 Gy の 5 線量区とした。また、同様に中庸系カラタ
チの吸水種子(1 週間前播種)へ照射を実施した。線量
は 2~32 Gy の 10 線量区とした。照射施設は原子力機
構高崎量子応用研究所の AVF サイクロトロンを用いた。
照射後、出芽・伸長を開始した個体は、馴化培地へ継
代し、更に培土に鉢上げを実施し、ガラス室で育苗し
た。温州ミカンについては、照射 4 週間後の再分化率、
再分化植物伸長量等の調査を行った。カラタチについ
ては、2 ヶ月後の発芽率、4 ヵ月後植物伸長長等を調査
した。
温州ミカンについては、両品種とも前回のゆら早生
への照射試験を基準にイオンビームを照射した。再分
化率は品種によりばらつきがみられた(Table 1)。川田
早生の 4 週間後の再分化率については、対照でも 50%
以下となったため、播種後の生育環境を再検討する必
要がある。2 Gy 区では、対照とほぼ変わらなかったが、
4 Gy 以上となると、対照の 50%程度となった。今回の
照射では、全体の再分化率が低かったが、8 Gy 区では、
対照の 50%以下となり、実用線量は 2~4 Gy 程度が適
切であると考えられる。今村温州の再分化率について
は、全般的に川田早生よりも高く、4 Gy 区でも対照の
70%程度であった。また、8 Gy 区では 26%程度で 16 Gy
以上では、全て再分化しなかった。このため、今村温
州の適正線量は 4 Gy 程度であると考えられる。
カラタチ種子へ照射をおこなった場合の発芽率は、
12 Gy 区までは 70%以上であった。16 Gy 区以上では
50%以下程度となった(Table 2)。
照射 4 ヵ月後の線量毎の平均伸長は、高線量区と低
線量区との明確な伸長量の差は認められなかった。し
かし、個々の伸長量は、非常にばらつきが大きく、引
き続き今後の経過についての調査を行う必要がある。
以上より、カラタチへは種子への照射にて変異個体
を獲得できる可能性があることがわかった。また、線
量は、急激に発芽率が低下する直前あたりが適正線量
と思われるため、次回試験からは 12 Gy から 16 Gy の
間で照射試験を実施する。
References
1) Y. Matsuo et al., Hort. Res. 6 (Suppl. 1) (2007) 40.
2) Y. Matsuo et al., JAEA Takasaki Ann. Rep. 2007 (2008)
74.
3) Y. Matsuo et al., JAEA Takasaki Ann. Rep. 2008 (2009)
76.
Table 1 Regeneration rate from hypocotyls of Satuma
mandarin “Kawata wase” and “Imamura unsyuu”
irradiated with carbon ions.
Cultivar
Kawata
wase
Imamura
unsyuu
Absorbed dose (Gy)
0 2 4 8 16 32
48.0 43.9 25.0 22.5 - -
67.9 51.3 47.6 17.7 0.0 0.0
Table 2 Germination rate of trifoliate orange seeds irradiated with carbon ions and plant height at 4 months after
Irradiation.
Absorbed dose (Gy) 0 2 4 6 8 10 12 16 20 24 32
Germination rate (%) 96.7 90.3 77.1 77.1 83.3 72.4 70.6 53.8 28.0 18.5 6.9
Plant height (cm) 10.3 10.2 11.4 12.9 10.8 9.5 8.7 6.1 8.1 9.7 9.5
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