JAEA-Review-2010-065.pdf:15.99MB - 日本原子力研究開発機構

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Development of Radiation-Resistant Lighting
T. Tsuchida a) , R. Yamagata b) , H. Seito b) , Y. Haruyama b) , H. Kaneko b) and S. Kashimura a)
a) Kandenko Co., Ltd.,
b) Department of Advanced Radiation Technology, TARRI, JAEA
There are a lot of restrictions of electric installations in a high radiation environment. For example longevity of electric
devices would be shortened remarkably in a high radiation environment. It becomes impossible also for lighting
equipments to keep an original function under a high radiation environment due to deterioration of insulation resistance of
ballasts and luminous flux decrease of lamps, etc.
The authors developed radiation-resistant lighting. This research aims to verify those functionality and safety under
- ray irradiation conditions. This paper reports the progress of this research, which is planed to continue till March 2011.
1.はじめに
加速器施設・材料照射施設・核融合施設・核燃料再
処理施設等は、高放射線環境となるエリアを有する。
高放射線環境では多くの電気設備は寿命が著しく短く
なるなど、使用に際しては制約が多い。照明器具も例
外ではなく、高放射線環境下では安定器の絶縁劣化に
よる安定器の損傷・光源部の光束低下などにより、本
来の機能を保てなくなる。
そこで本課題では、放射線環境下で使用できるよう
に独自の改良を加えた照明器具を、実際に放射線照射
施設で運用した状況下で通電･点灯状態を継続するこ
とにより、それらの機能性・安全性を検証することを
目的とする。
2.開発した耐放射線照明器具
今回開発した照明器具は、形状は標準の器具と変わ
らずに、耐放射線性能を向上させたことが特徴である。
以下の主な仕様を示す。
・投光器(水銀灯 400 W)および 安定器
定格電圧 200 V 定格周波数 50 Hz
定格入力電流 3.3 A 定格消費電力 415 W
放射線耐量 30 MGy
3.照射試験計画
Figure 1 に示すように、Co-60 照射施設 No. 2 セル内
に、試験体として開発した照明器具 6 台および安定器 6
台を設置し、室内の作業用の照明器具として運用する。
安定器は図に示した安定器収容盤内に設置している。
既設分電盤より、照明スイッチ用に 100 V 用 1 回路、
安定器用に 200 V 用 2 回路を制御盤に供給を受ける。
制御盤内の漏電遮断器より安定器収容盤に 2 回路供給
し、安定器からそれぞれ投光器に電源を供給する。制
御盤にはアワーメータを設けており、累積点灯時間を
測定する。
①試験体取付け位置での累積吸収線量 ②累積点灯
時間 ③室内の照度 ④絶縁抵抗 ⑤安定器・ランプの電
気特性 を 3 ヶ月毎に測定し、照明器具の特性等の劣化
状況等を調べる。
4.経過
本計画は 2008 年 3 月より 3 年計画で実施しており、
照射試験を開始してから、約 2 年経過している。2010
年 4 月現在、累積吸収線量は、光源部で 2 ~ 3.3 MGy、
安定器取付け部で 3.1 ~ 4.5 MGy である。
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累積点灯時間は 1,900 時
間である。室内の照度は、
初期照度(465 Lx)の 63%
程度(295 Lx)となった。
ランプは時間経過に従い
光束が減退する。このこ
とを考慮すると、現時点
での照度低下は、2%はラ
ンプの初期特性、1,900 時
間の減退が 7%、残りの
28%はランプの着色や反
射鏡の汚れが原因と推察
される。またケーブルの
絶縁抵抗の低下が確認さ
Ballasts board
Lighting
γ- ray sour ce
P ower panel
Switch
Co - 60 No.2 cell
Fig. 1 Installation layout
of radiation-resistant
lightings.
れたが、安定器本体の絶縁性能の劣化や電気特性の変
化は確認されていない。2009 年 12 月にケーブルを交換
し照射試験を継続中である。
今後は、2010 年 12 月末まで照射試験を継続した後、
機器を取り外し、試験体個々の光束・電気特性などを
測定し、耐放射線性能を評価する予定である。
Fig. 2 Radiation-resistant lightings (left side) and
ballast (right side).
Control
panel
5.おわりに
本研究により、本照明器具が実際の使用条件で安定
に特性を持続し利用可能であることが実証できれば、
その採用により、上述の加速器施設・材料照射施設・
核融合施設・核燃料再処理施設等における安全な運転
の実現と、保守管理の簡便化に寄与することが期待さ
れる。具体的には、安定な照明による安全確保ととも
に、照明器具の交換頻度の低減により、保守作業・廃
棄物処理等のランニングコストの低減に貢献できると
考える。